ブログ

ホーム > ブログ

ドラマ『半沢直樹』(と労働法)

この間の日曜日に最終回を迎えたTBSのドラマ『半沢直樹』。

驚異的な視聴率をたたき出しており、ご覧になっていた方も多いものと思います。

「倍返しだ!」もとい「100倍返しだ!!」は流行語にもなっているようですね。

 

当職は、ドラマが始まる前に、原作である

『オレたちバブル入行組』と『オレたち花のバブル組』(いずれも池井戸潤著、文春文庫)

を読んでいたので、あらかじめ大まかなストーリー自体はほぼわかっていたのですが(笑)

それでも実写で作られたこのドラマは非常に面白かったです。

 

半沢役の堺雅人はもちろんのこと、脇役も敵役もバッチリはまっていたと思います。

今後また原作を読み返すこともあると思うのですが、その時は完全に

半沢は堺さんをイメージして読んでいることと思います。

これはドラマ『ガリレオ』シリーズ(東野圭吾原作)の福山雅治と同じような現象です。

 

最終回は、大活躍したはずの半沢が、ラストでまさかの出向を命じられるという驚きの展開でしたが、

(もっとも原作に忠実ではあったので、驚きながらもホッとした(?)ところもあり)

おそらく『ロスジェネの逆襲』(ダイヤモンド社)をもとに続編が制作されることは

ほぼ間違いないと思われるので、今からとても楽しみにしています。

 

さて、ブログのタイトルに (と労働法) と付けたのですが、

このドラマには労働法上ツッコミ(?)を入れたいところが結構あったように思うのです。

 

例えば、上司が、他の社員が見ている面前で、机の上をバンバンと叩きながら部下を罵倒する、

というのは明らかにパワーハラスメントに該当するのではとみられる場面でした。

また、フィクションでありますので、話が大げさであり、かつ、

視聴者には「悪いことをしている者の具体的な行為がはっきりとわかるようにしてある」のは当然なのですが、

それにしても融資申込後、融資予定先に「120億円の損失が発生したこと」を認識しながら、

「それがない前提で」自己の出世等のために「200億円の融資を断行する」というのは、

明らかに銀行に損失を与える行為であって、(特別)背任罪にあたること、役員の解任事由にあたること、

そして従業員等であれば懲戒解雇事由にあたることが明らかな、とんでもない違法行為だと思われます。

 

加えて、半沢がその命令を受けた「出向」についてですが、

当然これは会社側が従業員に対して好き勝手にできるものではありません。

「出向」とは、

労働者が自己の雇用先の企業に在籍のまま、

他の企業の事業所において相当長期間にわたって当該他企業の業務に従事すること、

と一般的には定義されています(菅野和夫著 『労働法』 弘文堂刊 参照)。

銀行等ではよくあるのかもしれませんが、通常はあまり良くない処分であることが多く、

少なくとも出世にあたるということは極めてまれであると思われます。

 

出向命令が有効であるための要件は、簡略化すると、

①労働契約上の根拠があり、かつ②当該出向命令が権利の濫用にならないことであり、

法律上も、「使用者が労働者に出向を命ずることができる場合において、当該出向の命令が、その必要性、

対象労働者の選定に係る事情その他の事情に照らして、その権利を濫用したものと認められる場合には、

当該命令は、無効とする」(労働契約法14条)と定められているところです。

 

となりますと、半沢を応援する半沢びいきの立場はおいておくとしても、

やはり(法律上も)今回の半沢の人事には疑問符がつくと言わざるを得ないように思います。

 

もっとも、半沢は期待通り、出向先の「東京セントラル証券」でも(原作では)大活躍していますので、

堅い話は抜きにして、続編のドラマ化ないし映画化を楽しみに待っている今日この頃です。

1

Profile

日々の出来事などを書き綴っています。

Entries

Comment

Archive

2013.12

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31